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  • 2013.12.20 Friday
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我が、蹉跌のオーディオファイル #06.デジタル

                      デジタル音
昨今、デジタル(CD)は完全にアナログ(レコード)を凌駕した、と云うと何だかそれらしくて確かにそうだと思ってしまう。市場はCDばっかりで、レコード店などちょっと歩いたくらいではまず見付からない。ところが、これに「音」を付けて「デジタル音」は完全に「アナログ音」を凌駕した。と書き直してみると、ちょっと待てよと首を傾げたくなる。
本当にそうか。
何を凌駕したのか。
無くなった筈のレコード店はあるところにはちゃんとあり、箆棒に高価でそれでも店は立派に成り立っている。ネットオークションでも1枚数十万というのも出品されていてポツポツ買い手が付いている。
何故なのか。
一つは演奏家の問題がある。ハスキルやバックハウス、フルトヴェングラー、クナッペルツプッシュといった人達はもういない。だからレコードに頼るしか彼らの演奏を聴き様が無いというのが大きな要素だろう。
しかし、彼らのレコードの大部分はCD化されているから特に問題は無い筈なのに、どっこいレコードが売れている。
ジャズを僕は余り聞かないが、ここでも同様の現象が起きており、たまに見かけるレコード店ではやはり信じられない正札が付いている。やけっぱちで付けた値段でもなさそうで、ちゃんと売れることを想定しての値付けと見た。
どういうことなのか。
当り前だが買う人がいるからだ。
では何故その人達は同じフルトヴェングラーの演奏を充分にこなれた価格のCDではなくて高い方のレコードを買おうとするのか。

写真界ではプロがデジタルを使い始めてから一気にデジタル化が加速し、ヨドバシもビックカメラもフィルム売り場は思い切り縮小されている。
最大の原因は撮影コストにある。フィルム時代に100万円だったコストが今や1万円に満たない。それで出来たポスターや雑誌の写真はデジタルとフィルムの見分けは、少なくとも素人には付かないから、特にコマーシャル系のカメラマンは挙ってデジタルを使うようになった。
プロカメラマンならずとも、お年寄りの最も健康的な趣味としての写真も、
カメラさえ買ってしまえばランニングコスト0である。
それまではフィルムを買って、現像して、紙焼きして、36枚撮りネガが一本350円、現像600円、紙焼き360円として1,310円掛っていた。
年金暮らしのお年寄りがデジタルに向かったのは当然の軌跡ともいえる。
リコーのGRシリーズなどは素晴らしい描写をするから、ハッセル級の写真が楽しめる。しかもポケットに入れられるので、重いリュックや三脚からも解放される。いよいよお年寄り向きである。
写真界はだからほぼ世代交代が完了したと云ってよいだろう。
だが、本当の写真の世界というのはこうした現象を超越したところにあり、デジタルのギザの無い世界、光と化学反応で絵を造ってゆく本来の写真の世界はちゃんと生きているしこれからも生き続けるだろう。
その点は音の世界と似ているが、決定的に違うことは、最高の写真の世界は特殊化した小さな世界、専門分野としてしか残らないだろうが、音の世界はアナログ音の世界が一部復権し、新たな世界を創造するかもしれないという所にある。

今、レコードが売れている。
取り回しの便利さやノイズの無い音で一気に市場を席巻したデジタルの音に、限界が見えているのではないか。というより端から限界はあったのだ。要するに音質的に逆立ちしてもデジタル音はレコードの音に適わない。
のみならず我々が生身の生き物だと云う所に決定的な決め手があるのではないか。
ガラスを引っ掻く音を一日中聴かされたら、僕ならそれだけで相当衰弱し、三日続けられたら発狂するかもしれない。5日目にはきっと悶死するだろう。
何かの映画で見たが刑事の取り調べの場面で、電気で一晩中目玉を照らし、耳の傍で喚き続けて(つまり騒音をたてて)眠らせないという一種の拷問を三日ほど続けるとやってない人殺しも眠りたい一心で「やりました」と云ってしまう。刑事はにやりと笑って目出度く冤罪は成立する。実際問題、生理現象を逆なでするような音は充分に拷問の役に立つだろう。
砒素という毒薬は即効性では青酸カリに及ばないが、少量ずつ与えるとじわじわと人体を衰弱させ数カ月、調整によっては数年がかりで衰弱死させることが出来るという陰険な毒物である。
近頃若者が矢鱈にキレやすく、些細な事で凶行に及ぶ犯罪が増えた。
直接的な原因は教育にあり、核家族制度が遠因であるように思えてならないが、それだけではなく、食べ物にも遠因があるに違いないと思う。
砒素と同じで知らない間に体の中で何かが変化してゆく、毎日三度口から入れて、体の中を通る間栄養として様々なものを吸収し毒も吸収し、滓になって肛門からにょろにょろ出てくる様々な食べ物が体に何の影響も与えない筈が無い。
音もそうだと僕は思っている。
耳から入って脳味噌に至り、中で音として知覚させる空気の波動が脳に何らの影響も与えないとは思えない。食べ物にはちゃんと肛門という出口があるからまだいいが、音には出口が無く脳の中で音そのものは消滅しても放射能の様に消えない、記憶とは別の何かが残り、長い年月を経て沈殿しそれが脳に何らかの影響を与えるのではないかと思えてならない。
イヤホーンでシャカシャカやっている若者の目が共通して虚ろなのを見るに付けそう思うのである。同時に可哀相だとも思う。
聴いてみればわかる事だが、音源も含めてあれだけの汚い音を、しかも大音量で聴き続ければ誰の目だって虚ろになるし、知らずのうちに気持も荒れてくるだろう。「もう少し静かに出来ないか」などと諭されようものなら、瞬時に頭を沸騰させ「うるせえ、糞ジジイ!殺したろうけえ!」などと凄いところへ飛躍する。近頃は日教組のお陰で言葉も穢い。
生まれた時からデジタル時代の彼らは、CDやらDVDやらMDやら、ぎすぎすした音ばかり聴かされてきた。これでは赤ん坊の時から砒素を盛られているようなものだ。脳に何らかの毒物が沈殿しているのかもしれない。
必ずしもメーカーばかりの責任とは思わないが、音が長い時間を掛けて人体に(脳に)及ぼす影響をもうメーカーは考えても良いのではないか。そろそろ質の悪い音を若者の脳味噌に送り込むのは止めて、一昔前自分達が造っていた素晴らしい音を思い出してみてはどうだろう。
それは決して後戻りなどではなく、素晴らしい前進になると僕は思う。

                          つづく
次回は「音の入り口」

 

 

 


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