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  • 2013.12.20 Friday
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我が、蹉跌のオーディオファイル #29.VT−MCTL

                                          VT−MCTL

ベネターサウンドのヘッドアンプ、mctlVT−MCTLの事を書いてから一年ほど経つが、これに付いて書き足さずにいられなくなった。
毎年、どういう訳かくそ暑い夏になるとあれこれと音を弄りたくなる。どうして夏にそうなるのか分らない。我が家に居た犬ども、猫どもは毎年春になると目を吊り上げ充血させて何やら不審な行動に及んでいたが、それと同様の事なのか兎も角そうなるのであって、今年も例年通り7月に入った途端に、だからまなじりを決してイコライザーとプリの電源二つばかりに取っ付いた。
イコライザーの電源はチョーク直後の100μのコンデンサーを電解からオイルに替え、チョークには0.1μのこれもオイルコンデンサーを抱かせた。
プリの電源は部品配置を全面手直ししただけで特に変更はしなかったが、チョークにやはり0.1μのオイルコンを抱かせた。
電源が音質に与える影響が極めて大きい事は皆様御承知の通りだが、100μのオイルコンは見事な効果があった。油だから音が滑らかになるのかその辺りの理屈は知らないけれども、音が細やかになり、綺麗になった。
ただ、流石に一個で100μ350Vをカバーするオイルコンは無いので、アメリカ製と思しき50μ400Vをパラで使った。
チョークに抱かせたコンデンサーは云うまでもなくリップル対策である。
平滑回路を何故いじるのかを敢えて言うなら要はリップルをどう取り除くかが課題であるに決まっている。
こうやって実際にあれこれとやってみると、電源に電池を使うという考え方が如何に正しいかが実感できる。
「如何に綺麗な直流をアンプに送るか」という事が、今更めくが音の良否を決定する大きな要素である。
次にプリの抵抗を上質なものに替え、出力段のカップリングコンデンサーをチューブタイプのオイルコンから缶タイプの大型のオイルコンに替えた。ここは諸説あるところだろうが、数拾年前に買ったまま忘れていたものが物置の奥から出てきて、数価がぴったりだったから試にこれに替えてみたところ当りだったということで、偶然の産物でしかないが、電源のオイルコンの効果同様音が細やかになり綺麗になった。これもどうしてそうなるのか理屈は解らない。が、兎も角やってみたら大成功だったということである。部品に依って音が変わる典型例と云ってよいだろう。
モノ出力はトランス出力として独立回路を組込んだ。程度の良いプリ用出力トランスが何故か一個だけ残っていたので、ちょいとやってみたくなったからやっただけの事で云ってみれば双方とも廃物利用に近いが不思議な事にどちらも結果は上々だった。
何でもやってみる事だ。
そして更に、パワーアンプの再調整。
これだけやるのに2カ月掛った。
大量の汗が流れて18キロのダイエットに繋がった。平たく言えば気合を入れたという事である。
上記は勿論結果だけを書いているので、実際は電気知識ゼロのジジイが耳だけを頼りにやっている事である、実際はその何倍もの試行錯誤の結果だから実験研究と同様やたらに手間が掛ったのである。不器用という事も当然ある。
そして3カ月が経った今、件の100μオイルコンがこなれてきて角が取れ、組み上げた当初から更に音は繊細なものになり、且つ一段と明瞭で落着いた音になった。
レコードの音溝に刻まれた音を余すところなくフラットに再現する。
これがレコード再生の理想なのは解っているし、しかしながらフラットな音というのがなかなか面妖で、それに聴覚の個人差をプラスすると、結構この言葉には惑わされるところ大である事も解っている。
だが音の理想を言うならやはり「フラットな音」としか言いようが無い。
基より音を言葉で表現する事は出来ないと思っているが、
そのフラットな音が出ている様な気がする。
30年聴いて来たRA−1474の音はフラットな音という意味では恐らくほぼ完璧なアンプだろうと確信しているが、その1474を手放して以来やっと同質の音の背骨の様なものが得られたのではないかと思う。
1474の音は手放す前に主だったレコードをCDに録音しておいたので今でもこれと聴き比べる事が出来るのである。
因みに録音に使った当時のレコード再生機材は以下の通りである。
カートリッジ:SPU−A(新藤ラボチューニングのスワン印)
アーム:オルトフォンRF297
ターンテーブル:ガラード301(新藤ラボ調整、ターンテーブルをでかくしたやつ)
アンプ:RA−1474
現在使用中の物とは無論アンプの回路は違うし、SPU−Aもスワン印ではないし、プレイヤーもアームも違うので音色に違いはあるが、所謂良い音には背骨の様な同質の芯が通っている。これは良質な音に共通の物で、その芯に乗って低音から高音までバランスが取れている音をフラットな音と云ってよいなら、今出ている音はフラットだと云う事が出来るように思った。
フラットな音。バランスが良いだけで芯の通っていない音は駄目だし、芯が通っていてもバランスが悪ければ当然ながら駄目だし、実にやっかいなものだが、レコードに刻まれた音は余程悪質な録音の物でない限り録音技術者は基本的にフラットと思われる音を録音している筈である。原音を音癖なく録音する事がベストという事だろう。
技術者の感覚によって個々に音色の違いはあっても根底に流れる音の芯とバランスは大概共通しており、その音を其の儘、つまり如何に音癖なく再現できるかがレコード再生のキーポイントなのは何も僕などが改まって云う事でもない。
この事はあらゆるスポーツで、其々に秀でた選手には共通した身のこなし方がある事にも通じているように思う。無論相撲と野球では身のこなし方が違うし、個人のセンスの違いによって色々な身のこなし方があるのは当然だが、一流選手の身のこなし方には体の重心の置き方に於いて共通したものがある。つまり体のバランスのとり方だが、どのスポーツでも優秀な選手にはある一定の共通した身のこなしが備わっている。
音も芯を外したものは所々綺麗な音が出ていても何処かふやけたような印象が残ったり或いは明朗過ぎて音がきつかったり、聴いていて落着かなくなるものだ。
「何か、何処かが違う」という印象を聴き手に与えるのである。
余談ながら、フラットな音を造るのに尤も面倒なのは低音を締める事だと思う。低音が出ないのは論外としても、出過ぎるとだらしのない音になり、それが高音に影響を与えて音全体をもこもこした、籠った様な音にしてしまう。だから出過ぎた低音を引っ込めるのではなく締めるのだが、ここがアンプ造りの一つの難所と云ってよいだろう。
低音の締り具合を確認するには、ジャズなどのコントラバスをつま弾く音を聴くと解りやすいかもしれない。この音がぴんと張って正に指でつま弾く感じが明瞭に聴こえてくるなら占めたものだ。ここが不明瞭でボンボン、ボワボワふやけた様な低音が矢鱈に低く響くようなら、ここは「低音が出ている」と喜ぶところではない。こ奴が音全体を擦り下げてしまう。当残ながら中高音を弱いものにし、音の輝きも消してしまう。これは聴けば分る事である。この事に妥協は許されない。
回路さえ確かなものならば後は真空管、コンデンサーなど部品が大きく影響してくるから色々試して耳で確認してゆくと良いだろう。フラットと思しき音は、この段階では自分の耳で確かめるしか手はあるまい。測定器の価も大切だがそれは目安にしかならない。
さて、RA−1474の昇圧トランスは云わずと知れたトライアッドのHS−1である。
この音を嫌いだと云う人も居て当然ながらHS−1にも音癖のある事を証明しているが、ピカイチ素晴らしいトランスである事は万人の認めるところだろう。
このHS−1に相当するのがVT−MCTLである。MCトランスレスといった意味でトランスではなくヘッドアンプである。
レコード再生に使った機材が全て違うのだから単純な比較は出来ないし当然音色は違うけれども、少なくともMCカートリッジの昇圧というレベルではHS−1と同格かもしかしたら音癖が無い分それを上回る性能を持っているかもしれないと思いを新たにした。
スペック的な性能の事は僕には解らないし興味もないが、しっかり電源に電池を使っているからか何と言っても音が素晴らしいし、前述の音の芯をこのアンプが持っていなければ、後に続くアンプの音に芯の出ようが無い事は確かだろう。自画自賛するようだが今回の改良で我がアンペックス回路のEQが、音色の違いは当然ながら音のレベルでRA−1474と甲乙つけがたいものになったという事は,VT−MCTLの実力を結果的に実証する事にもなったと思うので、改めて其の優秀性に触れずにいられなくなった次第である。
皆様御承知の通り、オーディオは一つでも程度の悪い機材が入ると音はその機材のレベルで鳴ってしまう。この事は逆も真なりで良い音のオーディオは音の入り口から出口までの機材のバランスが取れているものだ。そうでなければ良い音にはならないから、その定石からも、VT−MCTLは最高レベルのヘッドアンプだと言い切っても良いと思う。
本気でそれを証明するなら、1474を組み上げ,HS−1とVT−MCTLを聴き比べてみれば分る事だが、もうその必要はあるまい。
手元にLAXのE−03で再生・録音されたCDもあって、これも一聴すると必ずしも悪い音ではないのだが、アンペックスEQやRA−1474と聞き比べてしまうと、随分と音が籠っていてサックスが霧笛のように聞こえる。それも風情だと云うなら何をかいわんやだが、フラットな音の再生というレベルで捉えるなら段違いと云ってよいだろう。悪口を言う気はないが、相撲で云う「顔じゃない」という隠語が当てはまる。
「三年経っても十年早い」というくらいの意味の言葉である。
それくらい音のレベルが違う。
VT−MCTLはHS−1と全く同格の、これは強調して置きたいので繰り返すが「音癖が無い」分、或いは其れ以上のレベルにあることを今年のくそ暑い夏に実証する結果になったと思う。今更ながら実に素晴らしいヘッドアンプであると思う。
全く、アンプは買ったからといって簡単に手懐けられるようなものではない事も改めてよく分った。質の良い機材ほど扱いが難しい事をこの歳になって再認識もさせられた。
ちょっと癪だが、オーディオは奥が深くて面白い。
一歩前進した時の快感というのも堪えられないものだし、
これじゃ何時まで経っても死ねんわ。


 


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