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  • 2013.12.20 Friday
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我が、蹉跌のオーディオファイル #23.イコライザーその2

                       イコライザーその2

正月も松の内を過ぎると、急に現実の世界に引き戻されるが、我が家で正月仏前に供えた菊と松が何とまだ健在で見る度に飲み過ぎてあっけなくひっくり返った元旦の一日が甦る。
12年の年が明けて、先ずは目出度い。実はずっと、年が明けると何故目出度いのか良く解らないままいい歳のジジイになった。昔は正月には数え年を勘定したからまた一つジジイが増えた。顔を洗って鏡を見て改めて何が目出度いのか考えてみたがいよいよ解らない。
が、元旦には「おめでとう」と家族で挨拶を交わし、外出先の至る所でやはり「おめでとう」を言って、何故か酒を酌み交わす。
歳のせいか今年の酒は効き目が早く、御節の直後から御屠蘇代わりの酒が効いて昏睡状態に入った。元旦はそれ以外何も覚えていない。
岡田君寝
目が覚めると田中君がじっと僕の顔を見ていた。この子にも「おめでとう」を言わねばなるまいから「今年も宜しくな」と云った。「宜しく」と云わねばならないのは実は田中君の方で、この子は数年前から毎朝のっこのっこやって来る。のこのこではなくのっこのっこやって来ては朝ご飯を食べる。食べ終わるとソファーでゴロリと横になってお休みになる。
昼を過ぎてもずっと寝続け、4時頃になるとむっくり起き上がって「ご飯を食べさせろ」と云うから、夕飯をお出しする。食べ終わるとまたゴロリとソファーで7時半頃までお休みになる。この先は揺すっても起きない。
いや、実は揺すると目を覚ますらしいのだが、寝たふりをして惚けているようである。
自分が相手を見ないでいると、相手から見えていない、つまり旨く隠れ遂せたと思っている節が窺われる。兎も角惚け切ろうとする。こういう行動はネコ族に共通のものであるようだ。23年も主のように我が家に棲息していた猫もそうだった。
そこで、毎日僕は寝たままの田中君を抱いて4軒先の田中さんの家まで連れて帰る。
玄関の前に置いて素早く逃げ帰るのである。
まあ、どうあれ田中君は何事にも全く動じない。
顔はアマゾン辺りに棲息するナマケモノに似ており、動作も何処となく緩慢である。
僕が音楽を聴いていると、田中君は何時も隣に座って寝ているが、不思議な子で、トランジスタ系の音やデジタル音がするとむっくり起き上がり、暫く僕の顔を不快そうに眺め、「ドアを開けろ」と催促する。開けるとそそくさと出て行って、階下のソファでゴロリと横になる。
どうやら田中君はデジタル音が嫌いらしい。

去年の暮れに某君が「これ作ってみないか」とイコライザーの回路図を見せてくれた。
専門家ではないから回路図から音を想像する事は出来ないが、以前聞いたイコライザーの回路図に似ており、もうひと工夫してあるようなので、この時は一目でこれは良さそうだと半ば確信して即座に作ってみようと思った。
B電圧は250Vだから使用中の電源が其の儘使えるし、球も12AX7だから幾つか引き出しに転がっている筈である。
家に帰って早速部品を当ったら必要な部品は殆ど有ったので、シャーシーと数個の抵抗を買い足して、早速組み上げた。
現在使っているイコライザーはCR型の一般的な回路ながら、同じ某君に薦められるままに最高級の部品を使ったお蔭で、涎が出るほど素晴らしい音だからイコライザーはもうこれで充分だと思っていた。造ってから約1年経つ。
この1〜2年でアンプの工作にも慣れてきて今回は一発で決まって、気持良く出てきた音は、想像通り前作とは音の根本が違う別次元の音だった。
良いとか悪いとかいう比較の問題ではなく、横綱と十両くらいの差のある音である。
正月のテレビ番組に大間のマグロ漁に松方弘樹が挑戦するという、最初漁師が嫌がって見せたのはやらせかも知れないが、漁の最盛期を考えるなら随分と人迷惑な番組があった。
松方弘樹と云えば釣り道楽で有名な役者である。釣り番組などによく出ているから何方も彼の腕前はご存じだろう。釣りをやらない僕が見ても何処となく素人離れしているように見える。
だが、大間の漁師達はちょっと違っていた。松方弘樹は何だかちょっとかわいそうだった。本職と素人の差と云うのは到底埋めがたいものだと番組をご覧の方々なら良くお分かりだったろう。波頭の葛藤場面では、あんな「大物色男役者」も全くかたなし。
何事もプロは身のこなしが違うと思いを新たにしたが、旧作と新作では敢えて言ってみればこういう差のある音である。
聞けばこの回路はアンペックス(AMPEX)の回路なのだそうだ。オーディオマニアでアンペックスを知らない人はいないだろうが、実際にアンペックスの音がどういう音なのか知っている人は少ないのではあるまいか。
同じプロ機でもスチューダー(Studer)やEMTなどのヨーロッパ系には比較的馴染みもあるし使っている方も結構いらっしゃるようだが、最大の生産国であるアメリカのアンペックス、フェアチャイルド(Fairchild)などは馴染みが薄い。
長いオーディオの経験の中で僕が手にしたアンペックスノ部品と云えば使い古したオープンデッキのヘッド位のもので、頂き物で使いようのないこんなものはさっさと捨ててしまったが、こうしたプロ機とは縁が遠過ぎて頭の片隅にもなかったアンペックスが思わぬところで懐に飛び込んできた。
僕が有り合わせの部品で組み上げたイコライザーにしてこの音なら本物は如何にと興味は尽きない。
きっと回路図には無い鼻薬の様な細かい細工が各所に施されているだろうし、だいいちどんな部品を使っているのだろうと思うと入手できないまでも、とっくり中を覗いてみたい衝動に強烈に駆られるな。

岡田君寝起き2
ところで、今こう書いている横でピクリともせずに寝ている田中君だが、この子はデジタル音ばかりでなく、不届きにも我が前作イコライザーの音にも時々目を覚ましては不快な目を向けよる。階下に逃げ出すような事はないものの、何事か訴えるような眼でじっと見つめるのである、そして暫くするとドアの前に座り込み部屋から出してくれと催促する。
こういう時は決まってきつめの高音が出ている。気温と湿気の関係らしいと近頃解り始めて来たが、かなり敏感に反応するから音のバロメーターには打って付で、田中君のお陰で今迄随分音の改善が為されてきた。
この子、昔はちょいといい女だった面影があるが、歳でもう歯が無いから喧嘩に勝てない。
4軒先ながら行き帰りの道中が心配である。
この界隈には「ツロツロ」という朝青竜に似て目が細くて、チョッと柄の悪い男(オス猫)が居て、こ奴も何故か我が家に飯を食いに来るから、鉢合わせして殴られでもしたら危険である。詰まらん事で怪我でもされたられては大変である。だから夜道は抱いて返すのだが。
全く田中君に音を教えられるのでは型が無いが、少なくとも我々人間の耳より遥かに優れた聴覚を持っておろうから貴重な存在なのである。岡田君寝起き1 
因みに猫の可聴周波数範囲は60Hz〜65,000Hzだから、低音は人間より鈍感だが高音は人間より遥かに高い周波数を聴き採る。
いつものことだが、珈琲好きの客人に冷めぬようにとホットプレートに珈琲ポットを載せ、音楽を聴きながら世間話の最中でも一向に動ぜず田中君は寝ているのだが、プレートのSWを切って暫く経つと、急に起き出し、ポットを退けろと催促し、ちゃっかりとプレートの上で丸くなってまた寝る。火傷しない頃合をちゃんと解っているようだ。
どうあれ、田中君のセンサーはオーディを評論家より優れていると思われるが、ご飯しか催促しないところが可愛い。

EQEQ電源
この田中君が、今回のイコライザーには目を覚まさず、ぐっすりとお休みである。
合格らしい。

兎も角このイコライザーは僕が今迄聴いた中で最高とだけ申し上げて細かい事は次回に譲ろう。

 


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