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  • 2013.12.20 Friday
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我が、蹉跌のオーディオファイル #20.モンスターケーブル

                                                 モンスターケーブル

26年前、今住んでいる我が家の建築工事が行われていた。
骨組みが出来上がると壁を造る前にガス・上下水道の工事が入り、電気配線が為される。
その後に壁が作られ、電気関係では電灯やスイッチやコンセントが取り付けられる。
電柱から電線を分電盤まで引っ張ってきて、そこから各部屋に配線してゆくのだが、家の中に張り巡らされる電線は、市販の電気コードよりやや太めの物で、当り前だが幾多の電気製品を同時に使ってもショートしないだけのキャパを持ったものが使われる。
建築会社によって多少の品質の違いはあるのかもしれないが、大体どの家にも同じような電線が使われているようだ。素材は銅らしいが品質は知れたものではない、如何にも業務用といった風情の味もそっけもない電線である。オーディオ用の配慮など望むべくもない。
そうして付けられたコンセントに、高圧線も吃驚の直径4〜5センチもあろうかという、音が良くなる電源ケーブル。ソケットにも何やら色んな小細工をして、理屈も付けて「見違えるような高音質を造り出す夢の電源ケーブル」を繋ぐ。
壁をスケルトンにしてみるとそれがどれだけ滑稽な事か一目瞭然であるが、残念ながら大概の壁は不透明な材質でできている。
オーディオ用高級電源タップ、簡単に言うと蛸足の事だが、普通の蛸足ではなく,某社の説明によると「家庭内のAC電源はインバーター機能やマイコンを搭載した家電製品、更にパソコン等のデジタル機器から発生するノイズで汚染され、オーディオビジュアル機器に悪影響を及ぼし、本来の性能を充分に発揮させることが困難になっています」と切り出し、「当社の開発したタップではそのノイズ除去に成功し、クリーンな給電を実現した」付いてはお値段5万円強である。
また他某社の同製品は10万円弱。
そして某社の電源ケーブルに至っては、1Mちょっとで30万円、3mで50万円、絵に描いたようなモンスターケーブルである。
何れもこれらを使えば「音は飛躍的に向上する」という。
当然だが電源タップと電源ケーブルだけでは音が出ないから、これはオーディオ機器を使う以前の問題であり、良い音で聴くためには、ステレオを買う前に50万円前後の金が掛る事になる。
多寡がステレオを聴くのに50万円の捨て金を前提にしなければ良い音で聴けぬなどという飽食は冗談が過ぎやしないか。
僕は信じないが、仮にこれで音が良くなったと仮定しても話として面白くない。
飽食と云うなら我が国の飽食は来るところ迄きた感がある。僕は社会派の人間ではないが、世界には飢えている人々が9億2500万人も居るというのに、年間2000万トンの食糧をドブに捨てているのは他ならぬ我が国である。甚だけしからん話であると思う。
賞味期限切れ・食い残し・食品工場や飲食店で捨てられる端材や売れ残り等々、自給率40%(実際はもっと低い筈)の我が国は世界中から食糧を輸入しては捨てている。
これは飽食を通り越して超過食と云うべきで、国連食糧農業機関によると、日本が惜し気も無く捨てているこの2000万トンの食糧は世界食糧援助総量の70%に相当するという。ならば最早犯罪というべきだろう。
良識は笑い飛ばされ、一人で30人前も食い散らかすバカ女をテレビがもて囃す。
我々視聴者もついうっかり面白おかしくそれを見て仕舞う。視聴率が上がるとテレビはいよいよ調子に乗って各局が競ってこの手の番組を流し続ける。悪循環であり、やがてこうした非常識に麻痺して日本国民は非常識が当り前になってしまう。
マスコミは時として極めて罪作りである。悪を前提としない分やくざ者より余程質が悪い。
だが、一番悪いのは誰かというと、茶の間で寝転んでこうした番組を笑って観ている我々日本国民である。
政治家がけしからんというが、得票があったからその政治家が存在しているのと同じである。
食べ物やマスコミだけの事ではない。政治・教育・金・性・道徳、切りが無い。日本人はあらゆる分野で倫理と哲学を失ったのだ。
比較するなら件のACケーブルなど瑣末な問題には違いないが、これ等と同質の飽食とモラルの低さを思わざるを得ない。
蟻の一穴ではないが、倫理や哲学の崩壊は何時の間にかこういうところから始まるのである。
僕は特定の神も宗教も持たないが、こうなると、日本は第2のソドムとゴモラだと云っても良いだろう。
あれは自然災害だったと云われているが、それでは話が面白くない。
神はソドムとゴモラを滅ぼした。
今もソドムとゴモラの遺跡は死海の底に沈んだままであり、2度とこの世に姿を見せる事は無いだろう。

話を戻そう。
今の家に引っ越す前は鎌倉に住んでいた。
この家に水道は引いておらず、横井戸(普通の井戸の様に縦穴を掘るのではなく、何処まで続いているか解らない山腹の狭い洞穴に流れる水脈の出口の岩盤を、畳一畳分程縦に1m余り掘って貯め水をした井戸)の中にポンプを落として、水圧を付けるために一端山の上のタンクまで吸い上げ、其処から落として使っていた。これで水に関しては何一つ不自由は無く、我が家に来る誰もが「こんなに美味しい水は飲んだ事が無い」と絶賛した。
野村不動産がその山の裏側を大規模な住宅地として開発してしまったお蔭で水脈が狂い、水道を引かねばならなくなったが、その間約40年、延々と僕はこの水を飲んで生きてきた。そして思った事だが、東京の水は気の毒なくらい不味い。第1臭い。腐臭がするのである。
最近では都知事が躍起になって浄水を強化したお陰で腐臭はとれた。何時だったか都知事はそれを飲んで見せて「旨い」と小鼻を膨らませていたが、何の嘘ばっかり、臭いがとれたって旨い訳が無い。役者は弟ばかりではないようだ。
友人の中には浄水器を愛用している者も居て、効果は覿面だという。
「利根川や多摩川の水を其の儘飲める訳が無いだろう。だから浄水場があるのだ。そして、それでも浄水しきれない分を家庭用浄水器で浄化して飲めるようにするのだ」と、尤もである。
だが、どうやったって不味いものは不味い。僕は未だに東京の水を積極的に飲もうとは思わないが、其の儘飲むよりは浄水器を通した方が身のためだという事は云えるかもしれない。
サバイバルグッズで、このストローを使えば腐った水でも飲む事が出来るという代物があった。海水も飲めるというならそれなりの価値は有りそうだ。
が、どうあれ、東京に限らず大都市圏の水は似たか寄ったかのものだろう。
これは水の話である。
では電気はどうなのか。
要するに件の電源タップやケーブルは、この浄水器の様なものだと誰かが云っていた。
電気が腐るという事は無いだろうが、田舎に行ったら綺麗な電気が通っているんだろうか。発電所に近い村や町の電気は都会の電気よりきれいなのだろうか。第一電気にきれい汚い、要するに電気に質があるんだろうか。
発電所で巨大な電気を造り、様々な設備を通して一般家庭まで送られてくる電気、電柱の変圧器から分電盤までの電線を通り、分電盤から各部屋への配線を通って、さっきも云ったがその先に様々な電気機器と並列で繋がれている我らがオーディオ機器に到達する。
電気に質があると仮定して、東電の感覚から云ったらそこで使われる末端の電気の質など屁みたいなものだろう。
その屁の匂いを取るために50万円の投資を促す。スカンクの屁じゃあるまいにその程度が何だって云うんだね。
鎌倉の名水だが、ある時山の上のタンクの掃除をしたら、タンクの底に落ち葉や小枝などと一緒にネズミやらムカデやらゲジゲジやらの死骸が五萬と溜まっていた。
倉本さん流に言うなら、それ等から流れ出るミネラルを、僕は40年も「美味しい、美味しい」と飲み続けていた訳で、そして当時我が家にいらした御客様達も異口同音に「美味しい、美味しい」と誉めて下さった訳で、いや、飲んだだけではなくて、その水で沸かした風呂にも40年間どっぷり漬かっていた訳で、毎日顔を洗い、歯を磨き、だから名水と云ったって裏側を覗かぬ方が良いのが実情だろうから、ACの浄電などという詰まらん事に金を掛けない方が良いと僕は思うな。
時がジジイにしてくれたが、僕の体は至って丈夫ですよ。
大切なのは良い電源から供給されるDCの質なのだということははっきり実感している事なので確かだと云えるが(だから電池のDCが一番良い)それにしたって配線一本に数10万円掛ける必要など全くない。
某社には300万円のフィールド電源があったが、買った人がいるんだろうか。電源一個がどうやったらこういう金額の商品になるんだか、いくら電卓を叩いても答えが出てこない。
ましてやケーブルが3メートルで50万円とは、電卓など叩く気にもならない。
我が家の分電盤からオーディオ機器までこのケーブルを敷いたらケーブルだけで軽く500万円を超えるだろう。それに工事代がプラスされる。
一度50万円のAC電源ケーブルとオーディオ機器に付いてくる普通のACケーブルと音を聴き比べてみてはどうだろう。と書いて思い付いたが、タップや巨大コードを使ってAC周りを浄電した後、オーディオ機器に付いているACコードはどうするのだろう。
このケーブルの前を浄電しているから、ここには手を付けなくてよいと云うのか知らないが、ACがどうのと云うならこ奴にも気を使わなければ如何にも片手落ちというもので、除霊をする霊媒師が霊に取り付かれていたら除霊の効果があるのかと考えるのもバカらしくなる。
取り外しの効く構造の物なら良いが、件の50万円のケーブルは1メートルチョットなら30万円だからこれを使うとして、何せぶっといんだから、ケーブルを取り換えるにはボディーの改造が必要になるのではないか。
ケツに大穴明けちまったら商品価値が下がりゃしないか。カマじゃあるまいし、そんなことしたら男が下がりゃしないか。「いいえ、あたしゃ女だよ」というなら、そうした趣味の問題に口は挟みませんさ。
しかし忘れてはいけない、神が見咎めたソドムとゴモラの主要な乱れは性であったとされている。
定年後に老後に備えてバリアフリーにリホームして、真っ平らになった床に自慢のオーディオ装置、あるオーディオ雑誌の試聴室に似せ、そこにアナコンダのようなぶっといSPケーブルとACケーブルを導入した翌日に奥様が躓いてご入院。こうなると悲劇というよりも喜劇だが、奥さんが退院してから本当の悲劇がやってきた。逃げようとした旦那は振り向く間もなく石にされたそうだが、何と塩の蛙だったとさ。
奥さんの怒りは物凄く、メデューサと髪の毛の蛇に同時に睨まれ、それは、それは、怖かったそうな。
奥方は神だ、これは本当にあった怖い話。
趣味に金をかけるのも良いが、オーディオ評論家やショップに誑かされ馬鹿なものに金を使うのは程々に。
もう一度言おう。
神はソドムとゴモラを滅ぼした。

 


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