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  • 2013.12.20 Friday
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我が、蹉跌のオーディオファイル #12.FMチューナー

                         FMチューナー

FMチューナーはマランツ♯10Bに止めを刺し、未だに音質でこれを凌駕するものは出てきていない。
三十年程前、どうしても金が必要でこれを売ってしまった。後悔先に立たずである。
今となっては高価過ぎてもう一度買おうという意欲が起きない。
売ってしまった当時、当初から所有していたソニー5000Fは10Bの鮮烈な音の記憶のお陰で聴く気にならず、それから三十年ただ置いてあっただけで殆ど聴いていなかった。
先日音を出してみたらバサバサ雑音が凄かった。長い間放置していたのでコンデンサーやトランジスタなどがいかれたのだろう。脳味噌もそうだが使わないと傷むのが早い。
近頃、FMもまた聴いてみようかという心境だったので、ならば直してみようと思い立った。
回路図を探したら出てきたので早速部品を洗い出し、電解、フィルムのコンデンサーの全て、
IF段とMPX回路の抵抗の全てを交換する事にした。
云うまでもなく直そうとしたわけだが、ただ直すだけでは面白くないので、序に音質向上を図ろうと、
まあ、助平根性を出した訳だ。
電解コンデンサーはニチコンのオーディ用、フィルムコンデンサーはフィリップス/ムラードのマスタード、抵抗はIF段にタクマン電子のREYを使い、MPX回路は同じくタクマン電子のREXを使う事にした。REYは誤差1%、REXは誤差5%ながら音質に優れる。
REXは色が嫌な浣腸色という欠点はあるもののそれは欠陥ではないし、アンプの内部は見えず、性能とは関係ないのでお勧めである。
音質の良さでは1・2を争うDALEとは一味違ってこれはこれでなかなかなものである。
マスタードは基盤に付けるには工夫が必要だが音が良いので無理やりくっ付けた。
そこまでやるならバンブルビーだって良い話だけれども、残念ながら容量抜けの物が多くWEの部品と同じで良質なものは今や殆ど残っていない。
昔は美人だった100歳婆さんの様なもので嫁に貰う気があると云うなら敢えて止めはしないが。
真空管時代のコンデンサーをトランジスタアンプに使う事の良否はやってみなければ解らないから、
余りに高額な出費は避けたかったという事情もある。
皆さんがどう想像していらっしゃるか解らないが、若い頃悪ふざけが過ぎて僕は金持ちじゃない。
世の中はうんと真面目に生きなければいけない。
さて、部品が揃ったら後は手先の器用さに頼る作業が待っている。コンデンサーの交換は大した手間ではないが抵抗の交換には根気が必要である。
ソニーの仕事は丁寧で、基盤に差し込んだ足をきちんと折り曲げて半田付けしているので、
これを外すのは矢鱈面倒である。
気の短い僕には拷問に近い作業だから時々癇癪を起して怒っている顔がガラス窓に写ったりする。ただでさえ見たい顔ではないというのに、全く、鏡を見てうっとりするナルシストの気が知れない。
作業がもたつくと近くのトランジスタが熱でやられるので各部品の交換は出来るだけ素早く取り除き、素早く取り付ける必要がある。不器用な者には特別血圧に悪い。
こうして頭が沸騰する場面に100回程遭遇してみると、それでも一つ一つ作業は進んで、
目出度く修理・改造は完了した。(5000Fに使われているトランジスタは選りすぐりの物なので無暗に交換せず出来るだけ其の儘使った方が良い)
10Bには遠く及ばないもののなかなかな音に仕上がった。
自分で直したという満足感は音を良質なものに変貌させることもあるのだとこの時気付いた。
「医者は自分の手術の出来栄えに患者を忘れて陶酔する一瞬があるようだ」とある友人が言っていたのを思い出す。「{なんて綺麗な出来栄えだ}とうっとりして呟いたのを手術台の上で聴いた。この時
明らかに患者の事は頭になかったようだ」と云うのである。これでちゃんと治癒すれば万々歳である。
さて同時に、今更めくようだがFMチューナーはカートリッジの様に機種によって色々な音を楽しむ事が出来ることを再認識したから、昔音質の良さで評判だったTRIOKT−7000のぶっ壊れたのをただ同然で買ってきて、もう面倒だから抵抗には触れず、電解コンデンサーとフィルムコンデンサーを5000F同様付け換えて蘇生改良させる事にも成功した。
「なんて綺麗な出来栄えだ」組上がった基盤を眺めてそうは思わなかったが、そこそこの出来栄え、KT-7000は5000Fより太めの音でポピュラーな音楽はとても良い。
同じTRIOのKT−8000があっさり澄んだ音なのとは大違いである。
改良したつもりが改悪だったのか、メーカーに音の統一性が無いのか、同じTRIOでも全く音が違う。
何年前だったか、某君の事務所移転時にステレオを入れたいというので、チューナーはマランツのST−8を推薦した事がある。この事務所の再度の移転の際に記念に頂いて、改めて聴いたこの音は若干10Bの香りがして一貫したマランツの思想の様なものが感じられる。
4機種の総合点を付けるならST−8が僕にとっては一番高得点である。
結局、現在4台のFMチューナーが我家に存在する。「放送される音楽は一つでしょうに」空耳かもしれないが遠くで家内の声が聴こえる。
女は現実的だから理解を求めても無駄である。意味のない笑いで誤魔化すしかない。
「修理は兎も角改良など余計な事」と味もそっけもない発想を家内はするが、半田鏝を持ってごそごそやってるのを見たって修理か改造かの見分けは付くまい。ざまあ見やがれだ。

音はある一定レベルの所に線が引いてあって、其処までは設計が間違っていなければ大概の物は結構良い音を楽しむことが出来るし、音質はどれも左程の差は無い。
しかし、問題はその音をもうちょっと良くしたいという、その「もうちょっと」の所が部品の勝負になって、微妙な音の差を生みだすのに金が掛るのである。
例えばロシアの真空管ならクワッドで1万ちょっとだが、アメリカやイギリス等のビンテージ物は10万といった様に抵抗もコンデンサーも一事が万事こういう具合に値段が嵩んでゆく。
しかし明らかに音質が違うので、一度聴き比べて仕舞うと後戻りが出来なくなるのだ。
割り切って考えるなら中国製だって音が出ないという事は無いから、それで良いなら何をか言わんやだが、こういう話もある。
現実離れしてむきになって膨大な開発費を投入した男マランツの10B。
この開発はマランツの経営を大きく傾けたと以前聞いたが、マランツ此処に有りという名声を不動のものにしたのは#7などと並んでこの10Bである事に異論は無かろう。
まことに、禍福は糾える縄のごとしである。福だけを求めると何処かで行き詰まる。

ところで、こうした柄にもない僕の努力は何のためだったか。云うまでも無く良い音でFM放送を聴くために決まっているがFMファンにとっては此処に重大な問題が存在している。電波規制である。
それでも随分緩和されて民放はそこそこ増えてきた。そのこと自体は喜ばしい事だが、手放しでは喜べないもう一つの問題が存在する。
詳しい事は知らないが、NHKのFM放送に使う機器はどれもこれも以上無いという
程、
オーディオマニアがそれこそ涎を垂らして卒倒する程優秀で高音質なものを使っているらしい。
と、そう聞いても放送局なんだから驚くに当たらないが、ならばと普段聴かない民放を改めて聴いてみると同じ放送局でも音質は全く違っていて、NHKと比べて音が妙に太くて荒くてきつく、
綺麗な音とは聊か言い難い。物解りの悪い爺さん取締役がスタジオ機器の決済を渋った結果か、
スタッフの耳が悪いとは思えないので、もし若者向けに意図的にそういう刺激音を造っているのなら大きな違いだと云わねばならない。総じて民放の音は品性に欠けるというところが一番の問題である。
三十年前と同様NHK・FMは今でも1局しかないが、当時FM東京しかなかった民放は今では新聞の番組表によれば僕の住まいの逗子周辺では6局もこの猛烈な刺激音を聴く事が出来る。
昔特高の拷問にガチャガチャ穢い音を聴かせ続けて眠らせないというのが有ったらしいが、
今なら特別の装置を必要としない。どの局でもいいから三日程民放を聞かせ続ければ大概の兵でも堕ちるだろう。
音の穢い民放が6局もあって、音の良いNHKが1局しかないというのはどういう事だろう。
NHKのAMには第1と第2放送が有るんだから、FMも第1・第2・いや第3放送くらいやって欲しいものだ。クラシックとジャズと後は何でもござれの専門チャンネル3局である。
スパイ天国日本の電波規制は厳しくてFM開局は結構難しいと聴いているのにそれにしては穢い音を出す民放ばかりが増えているのは不思議な事だ。
そればかりではない、去年レコードを掛けていたら不思議な音声が聴こえてくるので耳を澄ますと、中国の放送が日本海を越えてカートリッジやアームをアンテナとして受信しているのに吃驚。
ラジオが音を拾うなら兎も角、僕はレコードを聴いていたんだから余程強い電波を発信しているのだろう。それをイコライザーアンプで増幅していたという事らしい。
全く、不愉快な事極まりない。
自国の放送は中途半端に制限して、中国の無法プロパガンダ放送には文句ひとつ言えないなら阿呆な話だ。
政治を語るのが本旨ではないから一言にするが、我が国の政治には哲学が無い。
序に云うなら民放テレビなどは哲学どころか教養・節操の欠片も無い番組ばかりで、若者(ジジババも)の頭を狂わせ洗脳している。凶悪犯罪が増えているのは政治が悪いとテレビは云うが、其れよりもそう云って憚らないテレビと一部の漫画の影響の方が余程大きいだろう。
規制するならテレビ電波とエログロ残酷描写の漫画ではないのか。
表現の自由といっても無制限で良い筈がない。
節操は哲学から生まれる。その哲学が政治にも行政にもマスコミにも無い。
さてさて、折角の機材も1局しかないのでは如何にも勿体ない。という事が云いたかったのだ。民放でもよいからもっと良い音で良い音楽を流せば、少しは荒れた心が和むかも知れない。








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コメント
初めまして、マランツST8で検索してたらここに辿り着きました。記事の中で’特高の拷問”の話は、誰も居ない部屋で思わず声を出して笑ってしまいました。(失礼)そうだったんですね、お気に入りのST8でNHKFMを聴いていましたら番組がAKBのラジオドラマになってしまって、民放を探していたら、どの局もしゃべりと、音の悪さでとうとう頭に来て、電源を切ってしまいました。まさに拷問でした。特高の拷問のお話に妙に納得致しました。
お読み頂き有難う御座います。
どうして、これ程音が違うのか全く不思議な事ですね。不思議、詰まり不可思議というのは、良く解らない事を意味する単語だと思っていたら、そうではなく最大の数字の単位だと最近まで知りませんでした。音は真に不可思議、だから面白いのでしょうね。
  • audiofile
  • 2011/10/15 6:18 AM
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